作詞 添田唖蝉坊/作曲 神長瞭月
青島よいとこ誰がいうた
うしろはげ山前は海
尾のない狐が住むそうな
ぼくも二三度だまされた ナッチョラン
青島の山から見下ろして
あの海越ゆればわが日本
さぞや凱旋待つであろ
ぼくは青島の守備となる ナッチョラン
大黒帽子にボンネット
子供のよだれかけあべこべに
風呂敷たたんで襟かざり
意気で無邪気な水兵さん ナッチョラン
早く帰って頂戴と
送る浪さん逗子の浜
わたしゃお客を送るとき
背中叩いて舌を出す ナッチョラン
学校へ通って居る内は
卒業々々と待って居たが
卒業してみりゃつまらない
またも気になる就職口 ナッチョラン
親も妻子もふり捨てて
わたしゃ兵士になりました
泣き泣き三年つとめあげ
帰りゃわが家に雨が漏る ナッチョラン
ああつまらないつまらない
今日からかせぐのやめにしよ
見やれ日比谷の議事堂で
居ねむり駄賃が二千円 ナッチョラン
女優が牡丹の花ならば
洋妾なんぞはバラの花
後家は野菊で尼は蓮花
下女は南瓜の花かいな ナッチョラン
女事務員が柳なら
女詩人は花すみれ
女教師が蘭の花
女工がへちまの花かいな ナッチョラン
哀れなるかな床の番
寝ようとしても眠られず
まなこパチパチ高いびき
狸みたよなものかいな ナッチョラン